鳥旅 第11回 東シナ海と石垣島の鳥


2015.04.26〜05.01



シロハラホオジロ



はじめに

北日本の太平洋側の海鳥はフェリーも就航していますので
情報も多く、私自身も何度か経験していますので
おおよその感じはわかるのですが
東シナ海については、鹿児島、那覇の航路と
南西諸島の周辺海域の情報しか、ないようなので
今回、東シナ海を航行するクルーズがありましたので
参加することにしました。



4月27日  東シナ海

航路図 2015.04.27   観察時間 5:49-16:07

船は博多港を出港し、東シナ海の中央部を台湾に向けて航行していて
ほぼ東シナ海の真ん中を南下していきます。

今のカメラにはGPSが内蔵されているので、ログが残り
陸地と違って、撮影地点のわからない海鳥の撮影には
とても便利な機能です。

航路がもう少し陸地に近ければ、鳥も多いと思われ、面白いのですが
致し方ありません。




日の出


海鳥の観察では日の出前にはデッキに立ちますので
普段は全く日の出や日の入りを撮影する機会はないのですが
船旅では遮るものもないので、素晴らしいシーンを見ることができます。

フェリーの時は日の出を撮影する人も多く見かけますが
この船は寝静まっていて、こんなシーンを独占することができました。


(11:26)  シロハラトウゾクカモメ


何もいない時間が長く、退屈気味ですが
待ちに待った海鳥の姿が目に入りました。

トウゾクカモメらしいのですが、双眼鏡では確認できずにいましたが
画像を見るとシロハラトウゾクカモメで驚いてしまいました。

尾羽が針のように長いのが特徴で、人気があります。
以前、見島航路で見たという話を聞いたことがあります。

この鳥に出会うのは2013年6月に見て以来のことになります。


(11:26)  シロハラトウゾクカモメ




中国漁船

この海域では中国漁船が多く操業していて
中国国旗を掲げて漁をしている


(11:42) オオミズナギドリとアカアシミズナギドリ?

おそらくアカアシミズナギドリ
嘴のツートンカラーが目立ちます。


(12:07) 流藻とアジサシ類

流藻が増え始め、潮に乗って漂い、大きく広がっていて
その上の流木にアジサシ類が羽を休めていますが
遠すぎて識別は困難です。



(15:34) アカエリヒレアシシギ

当初は流藻の上で休んでいるのかと思いましたが
良く見ると、流藻についている甲殻類などを食べているようです。

アカエリばかりでハイイロヒレアシシギは見ることは
できませんでした。

雨が降ってきて、かなり辺りが暗くなりましたので
まともな画像は撮ることができませんでした。


(15:49)アカエリヒレアシシギ




(16:09)ハヤブサ

まさかこんなところで見るとは思いませんでした。

着水できるカモメ類では大洋上でも休むことができるのですが
一般の鳥は飛び続けていなければなりません。

狩りをしているのではなく、渡っているのかもしれません。




4月28日 東シナ海  台湾 

2015.04.28

設定が悪かったのか、ログデータはなくピンで表しているのがシロハラクイナが
確認できた場所で、当初は東シナ海の真ん中と思っていたのが
勘違いで、台湾の海上、約32kmのところでした。

台湾の基隆には8:00に入港



(06:14)イソヒヨドリと思われます。





(06:21)シロハラクイナ

サギの群れが飛んできて、それを見ていると
突然、思いもよらなかった鳥が視界に入りました。

シロハラクイナ 留鳥じゃなかったの
生息域を拡大しているのは知っていましたが
こんなところで出会おうなんて思いませんでした。




(06:22)ササゴイ

日の出前にデッキに出てみると大きな鳥が手すりにとまっています。
ササゴイです。

私自身、この鳥は見る機会がなく、これが二度目です。


(06:29)ゴイサギ

サギの仲間が群れで飛んでいて、その中にゴイサギ



(06:44)不明





(07:00)アカガシラサギ

この鳥の出現には驚きました。

一見してわかる独特の色彩をしているので
すぐ識別できるのがいいですね。


(07:00)カツオドリ

今回の目標の一つははアオツラカツオドリを
見ようと思っていたのだが
なんと、アオツラなどは影も形もなく
カツオドリさえも、この一羽を見ただけの
結果に終わりました。

カツオドリだけは、かなりの数が飛んでいるだろうなと
思っていましたが、見事に裏切られました。



(07:23)オオアジサシ

この鳥は2012年9月に太平洋フェリーに乗っているとき
伊勢湾の中で、はるか彼方を飛んでいるのを見ただけだったので
そこそこの距離で見ることができ感激しました。

迫力のある鳥ですね。




4月29日 東シナ海 石垣島 

航路図 2015.04.29 5:15-7:14

台湾の基隆港を出港し早朝に石垣港に入港
デッキでの撮影時間はあまりありません。



セグロアジサシ

夜明け前からデッキに立ち、観察をしますが
どこにも鳥は飛んでいません。

唯一、見られたのはセグロアジサシで
当然、後から画像にて確認できたものです。





クロハラアジサシ

西表島、小浜島、竹富島などを見ながら
石垣港に入港。

2009年に訪れてから6年ぶりの訪問です。

ほとんど何もいなかったなあとガッカリして入港風景を
見ていましたら、港の中でアジサシが飛んでいます。

良く見るとクロハラアジサシで
今までかなり遠くの個体しか見たことがなかったので
近くで見ることができ、うれしくなりました。

あまり人を恐れることがなく、近くまでやってきます。





オオメダイチドリ

あいにく雨が降り始めましたが、レンタカーを借り
アンバルへ向かいます。

傘をさして橋の上から干潟を見てみると
シギチが見え、オオメダイ、キアシ、チュウシャクを
確認することができました。





シマアカモズ

石垣島はシマアカモズの個体数は多いと思われますが
私たちは、この一羽しか見ることができませんでした。

尾羽が凸形に見えています。





コウライキジ

川平湾方面へ車を走らせ、以前も立ち寄った所で
探していましたら、コウライキジが目に入りました。

首から下は、なんとなくヤマドリに似ています。

この鳥は初見でした。





カンムリワシ  若鳥

カミさんと車を停めて鳥を探しているとき
近くを通りかかったおじいさんが
”お嬢さん 何を探しているの ワシならあそこに
止まっているよ”と声をかけられ
カミさんはお嬢さんと言われたので、かなり喜んでいて
それから気分よく探鳥していました。

森を双眼鏡で見ていると白いカンムリワシの若鳥が見つかり
若鳥を見てみたいと思っていたので、幸運でした。





ムラサキサギ

存在感のあるサギで、飾り羽がきれいです。





カンムリワシ 成鳥

カンムリワシは電柱が好きなようで、人工物の上では
あまり画にならないのですが、仕方がないですね。





シロガシラ

リュウキュウヨシゴイを何とか見たいと思って
水辺を探し回ったのですが
結局、見ることはできず、シロガシラを見つけました。





コムクドリ

ムクドリの仲間は電線が好きなようで
コムクドリもその例にもれず、群れになって止まっています。

なかに変わったムクドリがいないか探しましたが
コムクだけでした。

足早の探鳥となりましたが、雰囲気だけはしっかり
味わってきました。






4月30日  東シナ海

航路図  2015.04.30  06:08-15:32

4月27日のコースより東側を航行



(07:14)  シロハラトウゾクカモメ

27日に見ることができたシロハラトウゾクカモメを
再び、見ることができた。



(11:09)  チュウサギかな

このサギも東シナ海のほぼ中央あたりを飛んでいる。



(12:57)  シロハラホオジロ

船について数羽の小鳥が飛んでいるが
双眼鏡では識別はできず、後で画像を確認すると
なんとシロハラホオジロだ

経験ある方はわかると思うが
船の周辺を飛ぶ鳥を撮影するのは
かなり難しく、海鳥のように海面すれすれに
飛ぶ鳥はかなり安定して飛んでいるが
小鳥はついたり離れたり、高かったり、低かったりと
目まぐるしく方向を変えますのでファインダー内に
入れるのは大変です。



(13:16) アジサシかな



(13:33) オオミズナギドリ

流藻について飛んでいるように見えるオオミズナギドリの
大きな群れ。



(15:29)  シマノジコのメスかな





(15:29) シマノジコ オス

これも、あとから画像で確認できたもので
シマノジコとわかった途端、大変驚きました。

シロハラホオジロといい、シマノジコといい
ほとんどが日本海側の離島を通過する渡り鳥ですが
こんな絶海の大洋上を渡っているとは思いませんでした。




終わりに

ほんの一時期の一部海域ではありますが、良い経験をすることができましたが
終わってみての感想は全般的に出現する鳥も少なく、暇な時間ばかりで
かなりつらい鳥見となりました。

ただ、渡りの時期と重なりましたので、予想もしなかった鳥との出会いがあり
驚かされることも多かったように思います。

フェリーなどの定期航路があれば、その他の季節の状況もつかむことができるのに
今のところ、どうしようもありません。

アホウドリ、ミズナギドリ、アジサシなどの仲間がかなり飛んでいるはずと
勝手に思っているのですが。


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