第三回 鳥旅  道東へ 2009年6月

はじめに


鳥を見始めた人ならいつかは北海道へ行きたいと思うだろう。
私たちもとりあえず三泊四日で計画を立ててみた。行ってみたいところはたくさんあったが初めてのこともあり道東に決めた。
さて、何処に行こうか。なんとしてもエトピリカが見たいので霧多布!!。草原の鳥のノゴマ、シマアオジ、シマセンニュウ
マキノセンニュウにも会いたいので釧路湿原、野付半島、濤沸湖!!
高原の鳥のギンザンマシコ、ホシガラスが見たいので知床!!ガイド本を見ながらこのように決めた。

次に何で行くかだが@フリー、A旅行会社のフリープラン、B鳥見のツアーであるが料金や気楽さからAとした。
各社の北海道フリープラン レンタカー付きをさがしJTBとした。

次にスケジュールを決めるためネットで時刻表をチェック。
北九州発 6:40のスターフライヤーで行けば釧路に10:40に着く。日程を決めJTBに申し込みに行ったところ
スターフライヤーはANAとの共同運航便にかかわらず利用できないとの事。航空会社に問い合してもご要望として
承っておきます程度の愛想のない返事しか返ってこない。せっかく地元の空港と航空会社を使おうと思っていても
これではどうしようもない。まともに行ったら14時過ぎしか北海道に着けない。4時間の差は大きいので福岡空港を使うことにした。



一日目(6月21日)北九州-福岡-羽田-釧路


羽田へ

6時9分の空港行きバスに乗り福岡空港に向かう。
後で冷静に(冷静でなくても)考えてみれば、行きの福岡発、帰りの北九州着は無理があった。
行きも帰りも福岡を使った方が時間のゆとりが出来たと思う。

それもこれもスターフライヤーが対応してくれていれば問題なかったのだが
これからも航空機を利用することが多いので早急に利用できるようにして欲しいものでる。

福岡空港から羽田へ。羽田で釧路行きに乗継
空港での乗り継ぎにおいて時間が少なかったため、私たちのためにスポットの下からバスで移動
羽田空港も拡張で大きくなる分、乗り継ぎが大変になる。




釧路空港

週間天気予報に一喜一憂して出発を迎えるのはストレスになりやすい。

この旅の四日ともあまり芳しくない。今日も小雨だ。
釧路空港に向けて高度を下げていく。機長からは視界がないので
完全自動着陸を行うとのアナウンスがある。
このシステムが稼働するまで欠航率がかなり高かったのだろうな。
この霧は海霧(カイム)と呼ぶのだそうだ。異国人には響きが良い。
この旅の足になるレンタカーを借りる。期待してなかったが新型インサイトだ。




釧路湿原展望台

まずこの施設から鳥旅を始めた。入場料は400円

細かい雨が降っている。傘をさして散策に出発
天気が良ければ多くの鳥に出会うことができたかもしれないがさっぱり。
一部に展望台はあるがほとんどは森の中。
温根内の方がお勧めだ。




温根内ビジターセンター

木道がどこまでも伸び、とても良い感じ。センターに鳥の情報も。それによるとシマアオジも見られている。

まだ小雨は止まずとうとう今日はスナップ写真だけとなった。
明日の朝にここにもう一度来てみよう。






夜景

市内で夕食に回転すしを食べるが、その後にスーパーに寄った。
その土地のお店を見て回るのはとても楽しい。

日本全国大手メーカーの力が強いので品揃えは変わらないが、その土地にしかないものも多い。
そういうものを探して買って帰るのも悪くない。
これが白夜というものか、なかなか暗くならない。

今日はせっかく4時間も早く北海道についたがあまり成果がなく終わってしまった。






二日目(6月22日)釧路-釧路湿原-霧多布



オオジュリン オス

北海道の朝は早い。ホテルを4時にスタートし温根内ビジターセンターへ向かう。
雨が降っているのでしばし車で待機。

降り止むのを待ってスタートする。森の中では小鳥たちの囀りが聞こえてくる。
今回はPCMレコーダーも持ってきているのでさっそく録音に入る。
センダイムシクイはわかるが見当もつかない声もしている。
声をとってみたが見当もつかない。やはり姿だけでもチラッとでも見せてくれないと。






シマアオジ

木道に入り湿原の中をすすむ。ノビタキ、アオジ、コヨシキリ、カッコウを確認
みんな元気よく囀っている。


丹念に双眼鏡で見ていると黄色いのが見える。
シマアオジだ。!!
一度、見島で見てるがはるか彼方で、何とかシマアオジを確認できる距離だったので
あまり感激はなかった。
この鳥を見るのが今回の目標でもあったので感激する。それも良い声で囀っている。
事前に勉強していたCDとはかなり違う印象を受ける。




タンチョウ

昨日ははるか彼方に点のように見えていたタンチョウが目の前に。
飼育している鳥は同じものだが感激の仕方が違う。
餌付けや飼育されている鳥はどうしても見る気になれない。

それにしても飛んでいる姿をおがんでみたい。







コヨシキリ

この湿原で最も囀っていた鳥の一つだ。

人をあまり警戒しないようで近くで撮らせてもらった。
眉班がとても印象的。






ノゴマ

近くでノゴマを見つけた。この鳥も目標の一つだったのでラッキー。

喉の赤さは晴天よりも曇天の方がより目立つのかも知れない。
残念なことに距離が遠くすっきりした画像はとれなかった。






朝食

これで晴れていたらどんなにか良いだろう。もっと居たいが朝食の時間だ。

前回の沖縄で朝食そっちのけで鳥見を行ったためカミサンは、今でもあの時は残念だったと言っている。
それほどまでに食べ物の恨みは後を引くものだ。
今回はなんとか早朝に鳥見に行って戻って来るスタイルをとった。
早起きをして十分運動をしているので食欲は旺盛。
寝起きの人たちとは違うのだ。










アカゲラ

今日の泊まりは霧多布なので時間的な余裕は十分。

朝食後に釧路湿原の東側を走ってみた。
あまり情報がなかったので行きあたりばったり。
塘路湖、コッタロ展望台を巡ってみる。





オオジシギ

派手にデスプレイフライトを繰り返している。先日、大分県で見たオオジシギは飛んでなかったので
今回は十分堪能する。

オオジシギの個体数は多いようでこの旅のそこここで姿を見せてくれた。
この独特な鳴き声は十分存在感がある。






湿原

コッタロ展望台へ上るとちょうどガスがはれ湿原の全容が見渡せるようになった。

遮る物のないほどの広大な湿原が見渡せ、林にはセンダイムシクイ、エゾムシクイの囀りが聞こえてくる。
ここまでの道は舗装されてないのであまり快適なドライブとはいかない。







                                     ハクサンチドリ  原生花園あやめがヶ原            ヒオウギアヤメ



霧多布湿原

霧多布に着く前、原生花園あやめがヶ原というところがあったので寄ってみた。すべてが霧の中

この霧多布湿原の花はハクサンチドリ、ヒオウギアヤメ、エゾカンゾウ、ワタスゲ、クシロハナシノブ
センダイハギクロユリ。木道があり観光客も多い。
オオジシギ、はるか彼方にオジロワシ。





宿坊 樺のんの夕食

ツアーに霧多布の宿舎がなかったので、この日は独自に予約を入れこのペンションに泊まった。

ツアーの宿泊でなかったので料金から5,000円引いてくれた。全部、このスタイルでも良かったかも。
ツアーではマスでしかお客さんを見ることができないが、このような施設や民宿などは
宿の人たちとの交流がある。こちらのほうがずっと旅の印象は鮮明に残るものだ。

夕食は花咲ガニが一杯づつついて、とても食べ切れないほどの量がある。
カニ飯はなかでも絶品。



樺のん

ログハウスで寝るのは初めて、なんだか屋根裏の隠し部屋の趣がある。

それにしても初夏だと言うのに石油ストーブで部屋を暖めている。








三日目(6月23日)霧多布-根室-野付半島−知床ウトロ


不明の鳥

目覚めると横殴りの風と雨。少しひるんだがそれでも4時過ぎに鳥見に出発。

これには宿の人も呆れたかもしれない。とにかくエトピリカだ。
このために日程を組み目的地を決めたのだから。
この風と雨の中、鳥が飛んでいる。風雨のためフロントガラス越しに撮影。アジサシのようだが分らない。
岬にたどり着いたが車が揺れるようなすさまじい風。車で待機したがおさまりそうにない。

やむなく撤退したが、あとでいろいろな人に聞くと、見るのは大変そうだ。
これも情報が少なかったための失敗。北海道に友達がいれば聞くこともできたのだが。




クロガモ

海上に鳥が沢山群れている。じっくり見るとクロガモだ。黄色の嘴が鮮明。

こんなに近くで見られるなんて。見られるとは思ってなかった鳥だったので思わず感激。
いままで一度、志賀島近くで20羽程度の群れを見たきりだったので丹念に観察する。






野付半島

期待していた野付半島だが小雨模様で残念

それにしても北海道の道は雨水が道路にたまっている。それを対向車が威勢よくはねるので
ものすごい水しぶきだ。幸い歩いている人はまったくといってよいほどいないので良いのだろう。
ネイチャーセンターには現在見ることのできる鳥の一覧表を張り出している
キバシリ、シマセンニュウと目的の鳥なんだが。




トドワラ

傘をさして遊歩道を歩く。ハマナスの花盛りでコヨシキリが盛んに囀っている。

なんとか目的の鳥を見たいと思うのだが姿を見せてくれない。
遠くにトドマツの枯れた林が姿を見せる。






オジロワシ

大きな鳥がとまっているのを見つけた。オジロワシだ。

飛んだら良いなと思って待っても全くそぶりも見せない。飛んでいるところを見たいのに。
それにしても大きな鳥だ。






羅臼岳

予報は昼からは回復すると行っていたが、やっと知床峠に到着するころガスがはれてきた。

山にいる時もそうだが快晴の中にいるよりもガスで全く視界がない状態で
あっというまにガスが切れ息をのむような展望が開けるのが最も嬉しいものだ。

この知床峠でギンザンマシコを探すのは旭岳にロープウエーで上るのに比べると
時間の制約が全くない分、有利だと思う。




アマツバメ

頭上をアマツバメの群れが飛び回っている。

アマツバメやハリオアマツバメなどは普段の私たちにとっては旅鳥なので飛び去るのを見送るしかないが。
ここでは営巣しているらしくじっくり観察することができる。
アマツバメの仲間は飛び方もダイナミックだし姿も良い。
夏鳥として日本にやって来る鳥のうち、このアマツバメは難なく到着しそうだが
抵抗の多そうな大きなミゾゴイなどは見るからに大変そうだ。




ギンザンマシコ

この行程ではギンザンマシコに出会える可能性があるのはここだけ。
丹念に見ていくが姿がない。やはり強敵なのだと思っているとき。いた。!!
ハイマツの上にいる。興奮してカミサンに場所を教える。

堪能している時間もないまま、飛び立った。なんと二羽だった。
カミサンは最初からオスを見ていたのだった。まさか二羽もいたなんて






知床プリンスホテル

ここは差額が一人6,000円と凄まじく高いホテルで施設は充実しているが趣は少ない。

文句ばかり言っている割には夕食はたらふく食べた。
どうしても元はとらないとと思う浅ましさが抜けない。
目の前の豪華な食材を見ていたら食欲がむらむらわいてきてしまう。






四日目(6月24日)知床ウトロ-知床峠−知床観察センター-濤沸湖−女満別−羽田−北九州


知床峠

素晴らしい天気だ。4時過ぎにホテルから峠まで上がってきたが、驚いたことにもう観光客が来て
記念撮影をしている。
今日は国後島もはっきり見えている。

残念なことに鳥の姿があまりない。せっかくこんなに晴れたのに
ビンズイ、アオジ、カケスくらい
四日間や五日間の日程の人が多いと思うが、なかなか晴れに当たらないと思う。
全行程が雨だったという悲惨な旅もあるはずだ。晴れた時に鳥の多い場所にいけたらよいのだが。





                         ビンズイ                               アオジ
 

知床連山

知床峠からウトロに下りる途中に知床自然センターがある。

施設はまだ空いてなかったので付近を散策
海に向かって歩くと絶景が広がりフレベの滝が流れ落ちていて
多数のアマツバメ、オオセグロカモメ、ウミウ(?)を見ることができる。
残雪を残した知床連山も素晴らしい。




オホーツク

太陽の当たった海は素晴らしい色をしている。









斜里岳

濤沸湖に向かうとき右側に端正な斜里岳が見えている。北海道的な風景だ。

遠望しかできないが森の中はどんなだろう。







濤沸湖  小清水原生花園

ここが次の目的地だったが鳥はほとんど見ることができなかった。

時間が悪かったのかも知れない。
しかし原生花園はきれいで観光客も多かった。
全く日陰がないので今日のような快晴の時には辛いものがある。






                                     ハマナス              エゾスカシユリ

帰路

女満別空港には2時間も早く着いてしまった。

濤沸湖にはもう少し楽しむことができると思っていたが思っていた以上に鳥が少なかった。
道東はこの時期なかなか連続して晴れが続くことは少ないと思われる。
晴れた日に何処にいるかが成果の分かれ目になると思う。
遠方から訪れる我々には運だけしかないようだ。

楽しみにしていた道東の旅が終わった。初めての旅とすればかなり良かったのではないだろうか。
北海道は懐が深い。これからも定期的に行きたいと思う。





費用


JTB サンキューチョイス
6月21日------6月24日
基本料金 3泊4日___________________________________123,600 (二人分)レンタカー付き

差額運賃____行き______________________________________17,000 (二人分)
_____________帰り ____________________________________16,000 (二人分)
レンタカー乗り捨て_____________________________________3,000
宿泊追加料金-釧路全日空ホテル6月21日______________2,000 (二人分)
____________ウトロ知床プリンス6月23日________________12,000 (二人分)
____________一泊分差額________________________________-10,000 (二人分)
____________タクシー_________________________________________2,010(二人分)
____________高速バス________________________________________________2,400(二人分)
____________ガソリン代 距離651km _________________3,452 
  __合計\_______________________________________________171,462 (二人分)

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